足の機能を高めるコツ　新ウィンドラス機構とは？

足の新ウィンドラス機構　＃足の機能を高めるコツ

 

～ヒトの生活の基本は歩くこと～

十分な運動ができないと、食欲低下、入眠困難、代謝低下、生活での充足感不足を引き起こす要因となりヒトは自由に歩くことにより生活の質を向上することができる。

人の足の構造を保つためには足の先から踵までにある筋肉を「内在筋」と呼び膝下から足の中にまで及ぶ筋肉を「外在筋」又は「外来筋」という。

特に足のゆびを曲げる筋肉を屈曲筋と言い、足の構造を保ち、歩行能力を保つためにはこの指を曲げる筋肉が大変重要な役割を持つ。

足の指を着くことで指の下方からのチカラを受けることで「巻き爪」にもなりにくい。

足の指を曲げる筋肉が弱ることで起こる事象は[開帳足]-足の幅が増幅する、[偏平足]-足のアーチの低下、二次的に[外反母趾]-お足の親指が小指側（外反）に曲がってしまう事を起こしやすくなることが知られている。

これらが引き起こされた状態では、「転倒しやすい」「歩行速度の低下を（歩行能力低下）」を起こしやすい、「スポーツでのパフォーマンス低下」を引き起こしやすいことが知られている。

 

～殆どの方は砂浜を歩いた経験がお有りではないでしょうか？～

ご自分の砂浜を歩いた軌跡を観察するとどの足跡にも足指を曲げて歩いた痕跡がはっきりと付いていることを確認できる。

なぜ足の指を曲げて歩くのかが大変重要な事で、あのような不安定な状況での歩行は足を安定させて歩行する必要があるから足の指を曲げて足の構造を強化する又は安定させるために言わば反射的に行っているものと推測する。

勿論、この理由1点だけではなく、砂を掻いて推進力を得るためとも言えるかもしれない。

ただ、足の指を強力に曲げる＝足の構造強化を引き起こすとも考えられる。

足を専門的に学んでおられる方々には周知の事象として有名な「ウィンドラス機構」と呼ばれる足の現象がありますが、どんな現象であるかというと足の親指を背屈（足背方向へそらせる運動）することによって足の指を曲げる筋肉の健を巻き上げることによる足のアーチ増強がおこる現象をいい、ウィンドラス（船の錨を巻き上げる事）に由来するものとして知られている。

＃新ウィンドラス機構は、巻き上げを起こすものでは無いものの、自己の筋肉収縮（自家筋力）により足のアーチ増強、構造強化を起こすことから類似した現象として、クリップオンが使用し始めた独自の言葉。

 

～硬い地面を歩く際には足指を曲げるように使うことが少ない～

「反射的に足指を使う」と前述しましたが、それは砂浜のような不安定な場所での事象。

硬い舗装路、硬い床の場合ではこの事象が起こりにくいとも言える。それは砂のような不安定な場所と異なり地面事態が固く安定していることからも自らの足の構造強化を高めることをしないで済むからである。

故に足指を使わない＝足の構造が徐々に弱ることによって、開帳足、偏平足、外反母趾、巻き爪、胼胝（たこ）が起こり易くなっていくと考えられる。

 

～足指を上手く使えない要因～

その一つに重心の後方移動がある。いわゆる「踵重心」。

この踵重心になる要因で最も注目すべき事は「＃骨盤の後傾」であるといえる。

骨盤が後傾してくる要因としてあげられることは、大腿部の筋力低下、体幹、腹部のインナーマッスル筋力の低下、大腿二頭筋の緊張による骨盤後傾の助長などが要因になる。

また、高齢者の特有な姿勢はこの骨盤後傾によるものが殆どである。特有な姿勢とは背中が丸くなる、頸部は前に出ていてストレートネックを呈し、腰椎も真っすぐになるため寸胴な体型となる。更には骨盤後傾と共に骨盤底筋の筋力低下を呈するために骨盤は開く。このため大腿骨は外旋し「がにまた」の様相を呈する。また骨盤底筋の筋力低下は「尿漏れ」「子宮脱」にも関係する。

膝も真っすぐに伸ばすことが出来ず、軽度の屈曲した状態であることが多い。

足は偏平足を呈することにより、過回内（足が内側に倒れこむこと）に付随して膝からしたの脛骨（脛の骨）は内旋して大腿骨と脛骨のアライメントに互い違いに働く回転作用が生じる。この回転作用による膝の痛みを訴える方も少なくない。難治な膝の痛みを訴える方の中にはこの状態の方も少なくない。

 

～むすび～

足を健全に保つためには足指の機能を見直す必要があり、美容的な意味合いでも重要である。足の指を使うことは健康への第一歩でもあるといえる。

足の指を使う事の重要性は全年齢で重要ではあるが、特に女性の閉経前後からでは足の機能性でその後の生活の質に大きく関わってくる。足の機能改善には数年を要するため、カラダの変調期、子育てから卒業する時期を目安に取り組んでいただきたい。

少しでも多くの方に足の重要性を理解していただき足の構造強化は＃転倒予防　にも繋がり、寝たきりの高齢者の約３割は転倒から始まるというデータもあるほど。多くの方が介護サービスに依存せずに＃質の高い老後、＃健康寿命の延伸　にお役立ていただけたら幸いである。